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学科のリアルに迫る!【電子システム工学科編】

 東京電機大学には東京千住キャンパスに(夜間含む)3学部14学科、埼玉鳩山キャンパスに1学部6学科ある。どの学部学科も、大学の出している書類やHPからある程度情報を得ることが出来る。しかし、これらの情報だけでは、実際に学生がどのように過ごしているのか不明点も多いのではないかと思う。そのようなお悩みを解決する為に、この「学科のリアルに迫る!」では各学科生による学科の説明を記す。

 今回紹介するのは工学部電子システム工学科である。電子システム工学科は2017年に設立したばかりで、これから伸びしろが期待される学科である。この記事を読んで、電子システム工学科の雰囲気を少しでも知っていただけると嬉しい。

 著者は2023年度入学の学部3年生で、成績は可もなく不可もなくといったところだ(2025年11月現在)。

1年次

 1年次は必修が多い事から、学生ごとの時間割に大きな変化は無い。必修科目は計10科目と多いが、大抵の大学は1年時必修が多い傾向にあるので、特別大変という訳では無い。

 主に数学とプログラミングを学んだ1年間であった。新しい分野の科目に苦労しつつも、内容はまだ基礎が中心だったため、楽しく勉学に励むことが出来た。また、ワークショップではハンダ練習・FAX制作を行い、モノ作りの基礎技術を身につけた。しかし、科目の大半は高校の知識を活用したものばかりであったため、授業に付いていけない学生はほぼいないと思われる。

 一見忙しく見える時間割だが、見た目ほど大変ではない。私はバイトを週2回入り、サークルも思う存分楽しむ事が出来た。唯一大変だったのが、化学実験・物理実験のレポート作成であったが、初心者の私でさえ上手に書けるよう教授が説明して下さった為、問題はなかった。また電子システム工学科の1年後期は学科で1番楽な時期と言われており、3年生になった現在、1年後期は幻想だったのではないかと思うほど楽であった。

必修科目(赤枠線)

  • 電子システム工学入門
  • 微分積分学および演習Ⅰ
  • ワークショップ
  • 化学基礎・物理基礎および実験
  • 東京電機大学で学ぶ
  • 線形代数学Ⅰ
  • 基礎物理学
  • 情報リテラシー
  • コンピュータプログラミングⅠ
  • 電気回路基礎

▲1年時の時間割(左:前期、右:後期)

2年次

 2年次からは個々人の時間割に違いが生じ始めるが、時間割の関係上、再履修が無い限りはほとんど同じ時間割になる。

 2年前期には、この学科1番の難易度を誇っている電気回路Ⅰに勉強時間を割かれ、他の教科の勉強が疎かになる傾向がある。実際に私は電気回路Ⅰに時間を費やしてしまい、他教科で苦労した思い出がある。また、電気回路Ⅰは必修という事もあり、4年次まで引きずる学生もちらほらいる。加えて、この時期から実験が本格的になり、レポート制作にも奮闘する姿も多く見受けられる。2年後期の実験は特に大変で、電気回路Ⅰと同じくらいの時間を割くことになった。

 2年前期が1年後期と比べて桁違いに忙しくなり、そのギャップに苦闘する学生が多発した。だが私は、バイトを週3回、サークルにもほぼ毎日顔を出していた。そのため、誰しもが勉学漬けになるとは限らないだろう。しかし、この時期で1番恐ろしいのは忙しさではない。1番恐ろしいのは、授業の出席率である。1年生の時は授業の出席に使命感を得ていた学生も、2年生で1度だらけてしまう傾向にある。これは、後々後悔することが確定しているので、要注意である。

必修科目(赤枠線)

  • 電磁気学Ⅰ・Ⅱ
  • 電気回路Ⅰ
  • 電子システム工学基礎実験Ⅰ・Ⅱ
  • プログラミングⅠ

▲2年時の時間割(左:前期、右:後期)

3年次

 3年次はそれまでの落単数によって時間割が大きく変わる。私は落単数がそれほど多く無かったため、3年後期で時間割に余裕が見えた。

 3年は1周回って楽と感じる様になった。理由は2年生が辛すぎたからだと考えられる。ただし、各授業”自分で考える”を主体とした授業が増え、今までとはベクトルの異なる大変さがあった。電子システム工学実験も同様にレベルが上がり、学生が自分たちで答えを導き出す事が主体となった。実験時ペアと話しながら答えを模索している。そして、後期には実験室配属(電子システム工学総合演習)があり、卒業研究が近いことを実感した。

 3年前期は座学の専門性が上がったことにより、内容の理解に苦しんだ。しかし、すべての科目勉強しようとすると、休日がもう1~2日欲しいくらいの量になり、「あ。これ無理だ」となった記憶がある。火事場の馬鹿力でどうにか単位は勝ち取ったが、なぜ取れたのか未だ理解出来ていない……。しかし3年後期は授業数が大幅に減り、毎週各科目の復習がじっくり行える環境となった。ただ、学科最後の壁である「電子システム工学実験Ⅱ」は実技の難易度が上がり、実験が日程通りに終わらないことが多々ある。そのため、学生同士切磋琢磨して実験に臨んでいる。

必修科目

  • 電子システム工学実験Ⅰ・Ⅱ
  • 電子システム工学総合演習

▲3年時の時間割(左:前期、右:後期)

まとめ

 電子システム工学科では、電気回路や電磁気といったハードから、プログラミングや論理システムといったソフトウェアまで触れる学科となっている。ハードウェアとソフトウェア、その両方を深く学べる環境を求めている生徒の皆さんは、ぜひ電子システム工学科への入学を検討してみてはいかがだろうか。