今回、筆者は初めて自作パソコンに挑戦した。
性能・見た目・価格を考慮した構成決め、パーツ選びから作成までの工程を2回にわたり紹介する。
自作パソコンは難しい?
自作パソコンと聞いて、基板に部品をハンダ付けする作業があるのではないか、特殊な工具が必要なのではないかと想像する人も多いだろう。
しかし実際には、ハンダ付けや特殊な工具は必要ない。パーツをねじで固定し、ケーブルをコネクタに接続し、パーツを所定の場所に差し込むだけで完成する。ドライバ1本で作ることができる。
この記事では、自作パソコンが思ったよりも簡単にできることをお伝えする。
自作に挑戦した理由
筆者はこれまで、自宅で大学の課題を行う際、学科指定のノートパソコンを使用していた。しかし、複数のアプリケーションを同時に開いたり、CADソフトで複数の部品を編集したりすると動作が不安定になりソフトが落ちることがあった。また、学科指定PCのストレージ容量が256GBしかない(2024年度入学)。ゲームや追加のソフトウェアをインストールする余裕もなかった。
これらの問題を解決するため、より高性能かつ安定したパソコンを求め、自作パソコンに挑戦することを決意した。

▲学科指定パソコンのスペック
自作パソコン作成にあたり、以下の条件を設定した。
- 大学で使用しているソフトが快適に動作すること(Adobe製品、SOLIDWORKS、MATLABなど)
- 安定した動作(ソフトが落ちない、ブルースクリーンが発生しないこと)
- 科指定ノートパソコンより高性能であること
- しばらく買い替えが必要ないスペックであること
- Wi-Fi接続が可能であること
- ストレージ容量は1TB以上であること
これらの条件を満たす構成を目指してパーツ選びを行った。
自作パソコンに必要なパーツ
自作に必要な主なパーツは以下のとおりである。
- CPU
- マザーボード
- メモリ
- ストレージ
- GPU
- ケース
- CPUファン
- 電源ユニット
- Windowsライセンス
これらはパソコンを構成するために最低限必要なパーツである。(※CPUにGPU機能が内蔵されている場合、グラフィックボードは必須ではない。)自作最大の魅力は、パーツを自由に選べる点にある。
性能、見た目、予算に応じて自分好みの1台を作ることができるのだ。

選定したパーツ紹介(2025年1月時点)
筆者が実際に選んだパーツを紹介する。これから自作を検討している方の参考になれば幸いである。
CPU
選択したのはAMD Ryzen™ 5 9600Xである。
コストパフォーマンスに優れており、マルチタスクにも強い。
また、AMD用のマザーボードも比較的安価で、システム全体のコストを抑えることができると判断した。
なお、Intel製CPUのみ対応しているソフトが極稀に存在するが、ノートパソコンがIntel製CPUのため問題ないと判断した。
(参考リンク:AMD Ryzen™ 5 9600X 製品ページ)
マザーボード
マザーボードはASRock B650M PG Riptide WiFi Whiteを選択した。
白を基調としたデザインで、今回の自作にピッタリの製品だ。
Wi-Fi機能を標準搭載しているため、追加の無線LANカードが不要である点も魅力である。
(参考リンク:ASRock B650M PG Riptide WiFi White 製品ページ)
メモリ
メモリはCrucial 16GB×2枚 DDR5-5600を選択した。
合計32GBとし、CADや複数ソフトの同時起動にも耐えられる構成とした。
白色メモリは高価である場合が多いため、黒色メモリを選択した。マザーボードのメモリスロットが黒色のため黒色メモリを選定しても問題ない。
(参考リンク:Crucial Pro 32GB Kit (16GBx2) DDR5-5600 製品ページ)
ストレージ
ストレージはキオクシア EXCERIA PLUS G3 1TBを選択した。
国産メーカーを応援したいという気持ちもあり、このモデルを選んだ。また、PCIe 4.0対応で高速なデータ転送が可能であることが決め手である。まず1TBで様子を見て、必要に応じて追加する予定である。
(参考リンク:キオクシア EXCERIA PLUS G3 製品ページ)
グラフィックボード(GPU)
グラフィックボードはASUS Dual GeForce RTX 4060 EVO White OC Edition 8GB GDDR6を選択した。
最新世代のRTX 4000シリーズの中でも扱いやすいミドルクラスモデルであり、CAD作業やゲーミングにも十分対応できる性能を持つ。
また、白を基調としたデザインが今回のパソコンの外観コンセプトにも合致していた。
(参考リンク:ASUS Dual GeForce RTX 4060 EVO White OC Edition 8GB GDDR6 製品ページ)
CPUファン
CPUファンはNZXT T120 Whiteを選択した。
シンプルながら高い冷却性能を持ち、見た目もホワイトカラーで統一感がある。
静音性にも優れており、長時間の作業でも快適に使用できることを重視した。
(参考リンク:NZXT T120 White 製品ページ)
電源ユニット
電源ユニットについては諸事情により詳細な紹介を控える。
Windowsライセンス
OSにはWindows 11 Proを選択した。
学科指定ノートパソコンがWindows 11 Proであったため、環境を揃える意図で選択した。
また、自宅外からパソコンへアクセスするリモートデスクトップ機能を利用する予定があったため、Pro版を購入した。
(参考リンク:Windows 11 Pro 製品ページ)

▲購入した製品
パーツ購入について
パーツ構成が決まったら、次は購入である。
購入方法は、秋葉原などの実店舗またはオンラインストアがある。相性問題や構成に不安がある場合は、詳しい知人や店舗スタッフに相談することをおすすめする。
筆者は、今回オンラインストアを利用して購入した。購入費用を抑えるため、複数サイトで購入した。
購入先(五十音順)は以下の通りである。
- Amazon
- Joshin
- ツクモオンライン
- ドスパラ
- ビックカメラ
サイトによって在庫状況や送料、保障内容が異なる。事前によく確認してから注文することをおすすめする。
また、実家住みの場合、大量の荷物が届くことを保護者の方に事前に伝えておくことがおすすめだ。
おわりに
以上、自作パソコンのパーツ選びから購入までについて紹介した。
次回は、実際の組み立て作業と完成後の動作確認について詳しく紹介する予定である。パソコンは自分で作り上げることで、さらに愛着が湧き、知識も深まる。電大生ならば、ぜひ自作パソコンに挑戦してみてほしい。
次回、実際の組み立て作業から初期設定、性能テスト(ベンチマーク)を紹介する。
今回の記事が、初めて自作パソコンに挑戦する方々の参考になれば幸いである。